2005年11月26日

株式投資はギャンブルである

 以前、トラックバックをさせて頂いたあざらしサラダさんのところで、面白い記事(+コメントでの議論)があった。

現場を知らない子供(チルドレン)たち
♪よーく考えよう、お金は大事だよ

 佐藤ゆかり議員が「一般家計向けの株式投資優遇税制の再設計」に言及したのに対して、ギャンブルをやって家計の足しにしろとは何たることか、とお怒りのご様子である。
 それに対してコメント欄では「株式投資はギャンブルではない、資産運用である」という旨の批判が寄せられているようだ。

 もっともあざらしサラダさんの記事の主旨はコメント欄(下記に引用する)を読んでも明らかなように、ギャンブルだろうが資産運用だろうが、家計の一助としてそんな手段を採用しないと余裕が持てない社会を衆議院議員という立場の人間が目指しているのは問題である、ということだろう(と思う)。

 もちろん、リスクを承知の上で株式運営をしたい人はすればいいと思いますが、こつこつとまじめに働くだけでは生活に余裕が持てない、そんな社会を子供たちに残す罪は大きいと思います。
 資産運用ならば、個々人がリスクとリターンを判断して好きなようにすればいいと思いますが、生活費を稼ぐ手段として、こつこつまじめに働くのではなくてリスクのある道を勧めるのはいかがなものかと言っているだけなのですが。

 よって、「これからの世の中、資産運用の知識が重要であるにも関わらず、株式投資について何も知らないままでいるのはマズイだと思わないのか」というような批判は、的を射ていない。マズイとしても、そもそもその前提となっている「これからの世の中」が、果たしてそんなんでいいんかい、という問題提起なのだから。(*)

 それに実際には、多くの個人投資家にとって株式投資がギャンブルであることは、少し考えればわかる。テクニカル指標を使って短期での儲けを狙った取引や、各ネット証券で熱心に推奨される日計り商い(デイトレード)などは、明らかに資産運用と言うよりは「娯楽」の範疇である。
 書店に行けば「素人でも○億円稼げる」だの「30万円が2年で○億円に!」だのといった射幸心を煽る文句が満載の株式投資指南本が所狭しと並んでいる。そのほとんどは、雑誌の裏表紙やスポーツ新聞に載っているロトくじ必勝法とか競馬必勝法とかと、何ら変わりが無い。
 「身ぐるみ引っぺがされないように、よーく考えよう、笑。」というあざらしサラダさんの言葉は、至言である。

 まあ、結論としては。

 私としては、投資未経験者が株式市場にどんどん参入してくるのはウェルカムである。できれば勉強などあまりせずに入ってきて欲しい。それがマイホームを長期ローンで購入して(=年収の数倍のレバレッジをかけて不動産投機を行って)いながら未だそのリスクに気づいていないような人々ならば、なお嬉しい。(私には、「身ぐるみ引っぺがす」ようなことはできません。ただ、私より少しでも逃げ遅れる人がいてくれると、何かと安心なのです。)
 また、私はギャンブルとしての株式投資をやっているつもりはあまり無いので、私が株を保有している会社の社員の方々には、身を粉にしてこつこつ働いて、利益を積み上げて頂きたい。それはそれで当然ウェルカムである。

*個人的には、私は大筋はそれで構わないと思っている。そもそもこれまでが異常だったのだ。リスクが顕在化していなかったという意味で。

posted by 柏 at 01:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、TBありがとうございます。
一連のエントリーは、おっしゃるとおり「家計の一助としてそんな手段を採用しないと余裕が持てない社会を衆議院議員という立場の人間が目指しているのは問題である」という問題提起だったのですが、投資大好きの方々とはなかなか議論がかみ合わなくて、笑。
もちろん、私も投資を全面否定するつもりはないのですが、雑誌などで「儲け話」ばかりに注目が集まる一方、リスクについてはあまり取り上げられていないことが気掛かりで・・・。

ところで、先日の産経新聞に「所得(世帯全体)をめぐっては年収千五百万円までは所得が上がるにつれて幸福度も上昇したが、千七百万円以上になると逆に低下するという皮肉な結果も出た」という記事が掲載されていましたが、そうであれば、こつこつとまじめに働くことで1500万円までは得られる社会であるべきだと思うし、逆に1700万円以上の収入を得ている方は、社会を良くするために積極的に投資すればいいと思ったりしますが、いかがでしょうか。
Posted by あざらしサラダ at 2005年11月26日 11:21
あざらしサラダさん、コメントありがとうございます。

本文にも書いているように私は「投資大好きの方々」の範疇に入るのですが、あざらしサラダさんの主張は当然、理解できます。理解と賛同は別ですよね。何で話が噛み合わないのか、ちょっと興味深く思ってトラックバックさせて頂きました。

後半の、産経の記事の話についてはちょっと思うところがあったので、別エントリにしてみたいと思います。
Posted by at 2005年11月26日 22:59
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